Outdoor Actibity
アウトドア・アクティビティ

ヒーフィー・トラック
''Heaphy Track''

内容 トレッキング4~6日間 82km
場所: 南島 カフランギ国立公園 Kahurangi National Park
難易度: 中級者から上級者まで
Heaphy Track
Heaphy Track

スタッフの体験レポート

Heaphy Trackニュージーランドは南島の北西部に国内第2の大きさを誇る国立公園、Kahurangi National Parkがある。ニュージーランドの山好きが必ず目指す場所とは聞いていたが、そこには何があるのか、どういう場所なのかは歩くまで全く分からなかった。普通の観光ルートには入っていないし、外国のガイドブックを見てもほんの一握りの情報が出ているだけで、想像しているよりずっと辺境の地なのである。


トレッキング・ルートが豊富なニュージーランドでも、「The Great Walks」の名を冠された9つのルートはその素晴らしさ、歩き応え等から別格であると言われる。もちろんこのHeaphy Trackもその9つのなかの1つ、歩いて分かったけれど本当に素晴らしいルートだった。


Heaphy Track朝起きると素晴らしい天気が広がっている、かなり期待できそうだ。いつもは単独で山に入る僕達も、今回は迷わずガイド・ツアーを選んだ。知り合いからの薦めもあったし、こんな素晴らしい場所を歩くなら、良いところは絶対に見落としたくないというわけ。ガイドのRyanが大きなワゴンで迎えにやってくる。皆に挨拶をして出発、途中の町にあるお洒落なカフェでニュージーランド名物のフラット・ホワイトを飲んだら、Heaphy Trackの入り口まで一直線。


Heaphy Track腹ごしらえをしたら、早速歩き始める。今日の行程はPerry Saddle Hutまでの約17.5km、およそ915mまで高度をジワジワとあげるこの行程は、なまった体には良い薬である。最後の登り坂を上りきると、目の前には峰を連ねる未だ未踏であろう険しい山々に、少し傾いてきた陽の光が反射している。あまりにきれいで呆然としてしまう。ここから今日の目的地までは少し下るだけ、足取りが一気に軽くなった。



Heaphy Trackガイド・ツアーに参加すると、到着後すぐにご飯の支度をすることも無い。美味しい料理を全てガイドが用意してくれ、希望者にはワインも用意してくれる。参加者は寝袋と身の回り品のみ持っていくだけ、こんな辺境の地でそんな贅沢が出来て良いのだろうかと考えつつ、用意されたワインを飲み干す。

Hut(山小屋)にある厚手のマットのお陰でぐっすり寝る事が出来、すこぶる快調、前日の疲れは全く無い。朝の定番Porridge(ポリッジ)を食べて、歩き始める。
Heaphy Track 天気は快晴だ。

1時間も歩いただろうか、急に景色が開ける。ここはGouland Downsという丘陵地帯、周りには自分達が歩いてきた道、これから進む道が見え、素晴らしい景色だ。






Heaphy Track さぁ、もう一息、先へ進んで昼食にしよう。昼食はオープンサンド、ニュージーランド原産のチーズにトマト、サーモンを挟んで食べればもう最高。
昼食を食べ終えたら、ザックはまだ背負わずに周辺散策へ。大きな洞窟を通り抜け静かな苔の森を抜けると、太古の昔から変わることの無い風景がそこにある。これはこのツアーで来なければ、見ることは出来なかった。ガイドのRyan(ライアン)に感謝。

ザックを背負い、荒涼とした風景のなかを歩く。ワイヤーで作られたシンプルな橋、スイング・ブリッジが川の上に架かっている。 これは明らかに1人専用、それ以上はきっと無理だろう。今日の宿泊地、Saxon Hutが見えた。今日の行程、16kmも無事に終了。美味しいワインが楽しみだ。


Heaphy Track朝起きて外へ出てみると、地表には霜が降りていた。冷たくて乾いた空気を少し我慢していると、Hutから見える山々の合間から太陽が昇ってくる、素晴らしい光景だ。朝食はもちろんRyanの作るPorridgeとトースト、これが無いと朝は始まらない。食べ終えたら、まだ片付けをしているRyanを横目に荷物をまとめて出発する。30分後には、100リットル程のザックを軽々と背負った彼に追いつかれることだろう。



Heaphy Track今日の行程は24.5km。これだけ聞くと長く感じるが、実はほぼ全部下り坂でそんなにきつく感じない。道が下り坂と言うこともあって、周りをゆっくり見ながら歩くことが出来る。気がつけば昨日までの荒涼とした原野から、原産の木々が茂る森へ入る。普段は植生を気にせず歩く人も、ここへ来るとその美しい木々に釘付けになってしまうはず。そんな森に気をとられていると、小鳥が足元にひょこひょこと近づいてくる。たまに足の上にも乗ってくるというから驚きだ。

Heaphy TrackJames Mackay Hutに立ち寄り、そこでしばし休憩。そこからはHeaphy Riverの河口、そしてタスマン海に波が立っているも見えた。その後、Ryan特製のケバブを食べ、重い腰を上げる。ビーチ・ツリーにニカウ・パームが見えたら、今日の目的地Lewis Hutまではそう遠くない。今日はどんなワインと食事が食べられるのだろう。




Heaphy Track「水浴びしてきたら?」、そうかこの何日かシャワーは浴びていないんだ。ニュージーランドの南島は乾燥しているから、汗をかいても気にならない。すっかり忘れていた。川の水が少し溜まっているところに飛び込む。と、同時に上がる。めちゃめちゃ冷たくて、ゆっくり浸かっていられない。とはいえ久々の水浴び、気持ちの良い瞬間だった。

今日はゆっくり歩いても2時間半で着いてしまう約8kmの道程、ゆっくりと荷造りして出発。



この間通ってきたものとは段違いで長い、スイング・ブリッジがきれいなHeaphy Riverの上に架かっている。橋の上からの風景が素晴らしいので止まって写真を撮ろうとするが、振動で手が落ち着かない。諦めてまた歩き出す。昨日見たものよりも段違いで大きなニカウ・パームが歩く人の目を留める。



Heaphy Track海が近づいて来ているはずなのに森が深くなる、その後急に視界が開け、柔らかい芝の上に佇む可愛らしいHeaphy Hutが目の前に現れた。芝生を裸足で降りていくと、水温が高い時であれば絶好の水浴びの場所になるであろう、素晴らしい河口がある。そしてゴミ1つ無い白い砂浜の奥には、オーストラリアとニュージーランドを隔てるタスマン海が視界いっぱいに広がる。




Heaphy Track Ryanが皆を呼び、洞窟探検へと誘う。断る理由なんて無い、ヘッドランプを持って皆について行く。少し歩くと一行は藪の中に消え、道なき道を歩く。10分ほど歩いただろうか、洞窟の入り口がぽっかりと開いている。「電気を点けて、気をつけて歩いてね」、Ryanが言う。

ひんやりとした空気が漂う洞窟内には、Cave Spider(ケイブ・スパイダー)と呼ばれる足の長い蜘蛛が住んでいる。そして岩と岩の隙間には細い道があり、宝探しさながらの気分を味わえる。ドロドロになっても構わないという方には、是非チャレンジしてもらいたい。



Heaphy TrackKahurangi国立公園で過ごす最後の晩を飾るのは、何と言ってもタスマン海に沈む夕陽。この日は残念ながら雲がかかっていたが、それでも日本では絶対に見られないであろう素晴らしい夕陽を見ることが出来た。

今日はいよいよこの82kmのHeaphy Trackを歩ききる。行程は海岸線を歩く16km、海岸線を歩くこんな山行は日本ではなかなか体験できない。それだけでもわくわくするのに、ゴミ1つ無い砂浜を見ているとさらに拍車がかかる。

Heaphy Track昨日からツアーのサポート・メンバーに加わったJoとあそこは良い波が立つとか、あそこは良い風が吹くとかそんな話しをしながら歩く。タスマン海側の町に以前住んでいたことがあったが、その時に見たタスマン海とは比べ物にならないほどここは美しい。ちょうど半分くらい歩いたきれいなビーチにておやつ休憩をとることに。皆、思い思いの流木の上に腰を下ろし、最後まで大事にとって置いた行動食の袋からクッキーを取り出す。



Heaphy Track 再び歩き始め、小高い丘が目の前に見えたら、トラックの終点Kohaihai River Mouthまであと少し。立派な橋を越えたら、ニュージーランドを代表する「The Great Walks」の1つHeaphy Trackを歩いたことになる。終点では素敵なランチとスパークリング・ワインが待っている、至れり尽くせりだが嬉しい限りだ。

歩き始めた時は長く感じた82kmだが、歩き終えた途端ふと寂しくなってしまう。そんな素晴らしいルートがこの公園内のごくごく一部だなんて信じられない。魅力満載のKahurangi国立公園にしばらくは夢中になりそうだ。
(2007年11月7日~12日 丸田憲司)