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ワンガヌイ・ジャーニー
''Whanganui Journey''

内容 カナディアンカヌー・キャンプトリップ 1日~5日間
場所: 北島 ワンガヌイ国立公園 Whanganui National Park
難易度: カヌー初級者でも可 キャンプ経験者におすすめ 詳しくはお問い合わせ下さい
さぁ 旅へ
大自然のなかでのキャンプ

スタッフの体験レポート

マオリの伝説で、トンガリロ山とタラナキ山が、美しいピハンガ山をめぐり争い、敗れたタラナキ山が、大地に大きな傷をえぐりながら逃げた。それがWhanganui(ワンガヌイ)リバーの始まりとされている。

そのワンガヌイリバーをカナディアンカヌーで下る旅、Whanganui Journey(ワンガヌイ・ジャーニー)は、ニュージーランドの9つのThe Great Walks(グレート・ウォークス)の中で、唯一トレッキング以外で選ばれているルート。その一部のWhakahoro(ワカホロ)~Pipiriki(ピピリキ)87kmの一番ポピュラーな旅にでかけてきた。

1日目 Whakahoro~John Coull Hut 37.5km / 曇りときどき小雨

用意は入念に

8時30分、宿泊先のトンガリロにあるDiscoveryロッジに車のお迎え。今回のワンガヌイ・ジャーニーの出発地点である、Whakahoroまで46km、約1時間のドライブ。トンガリロの海抜は約800メートル、Whakahoroは約80メートル。すぐに舗装路を外れ、グネグネ、ガタガタ道を走る。既にアドベンチャーが始まっているよう。

Whakahoroに9時40分到着。防水用のBarrel(樽)が用意されており、そこにテント、着替え、食料などを詰め替える。今回は、私と夫のイワオ、イワオの父と丸田君の4人旅。4人でBarrel10個、ドライバック1つを2艇のカナディアンカヌーに積む。

Stevenから、パドリングの説明。シーカヤックの経験はある私達だが、カナディアンカヌーを漕ぐのは初めての経験!どうも片側で漕ぐ感覚がわからない。舵取りはイワオの担当。私は前に乗り込む。

今日は、Whakahoro~John Coull Hutまでの計37.5kmの行程。スタート直後、2つのrapid(急流)。1つ目は何とか越えたもの、2つ目でいきなりstuck!一番勢いがありそうに見えた白波がたつところに突っ込んだが、カヌーが横になり、岩と岩の間にはさまってしまう。お尻を前に動かしたり、岩をパドルで突いてみるも、全く動かず。結局、イワオがカヌーを降りて、手押しする。

鏡のなかの世界 イワオ、シングルパドルのハンドル操作にてこずる。漕ぎ方を何パターンも試しているが、どうも加速が弱く、ブレーキがかかってしまう。本気で悔しがっている。

最初の目的地、11km先のMangapapaにやっと到着。慣れないせいか、とても長く感じる。各中継地点には、トイレと屋根つきの小さいキッチンスペースがある。トイレットペーパーは各自持参。ジップロックに入れておかないと濡れて悲惨なことに。

ランチを食べたせいか、午後は順調。やっと景色を楽しむ余裕が出てくる。川の両サイドはシダに覆われた高さ数十メートルの崖が続く。清流が長く続くところは、まるで鏡の上を漕いでいるよう。景色が水面に反射して、上下の感覚がわからなくなる。

17時40分、キャンプサイトのJohn Coull Huttに到着! 早速テントを張る。それにしてもニュージーランドでキャンプをすると、みんなのテントの大きさに驚く。「カヌーのどこにそんなでかいテント積んできたんですかー!?」というようなテントがずらり。ガス台持参でBBQも始まっている。キャンプサイトの主のような風貌のおじさんに「Welcome!」と声をかけられ、今日の長い37.5kmが終わったー。。

2日目 John Coull Hutt~Tieke Kainga 29km / 曇りときどき小雨

笑顔は忘れない

7時起床。朝ごはんは、インスタントラーメンwithベーコン、小松菜いためのBig Break Fast。9時、John Coull Huttを出発。今日はTieke Kaingaまでの29kmの行程。

しばらく進んだところで、本日最初のrapid。木の間に乗り上げ、一瞬ヒヤッとするが、Stuckせず、そのまま流れる。しかし!出発から40分後、再び強いrapid。左の崖をぎりぎりに流れており、途中丸太が2本縦に並んでいる。強い流れに流されながら、丸太をよけようと、右に逃げようとしたが、右からも強い流れが。丸太にカヌーの左半分が乗り上げ、右側にチン(沈)!転覆!二人とも投げ出される。

開拓の橋 チンしたときは、無理に上がろうとせず、そのまま流れがおさまるところまで流されろ、というStevenの指示を思い出し、1~2分流され、静かなところで岸に向かって泳ぐ。Barrelが乗ったカヌーは重く、なかなか岸にたどりつかない。。5分近く泳ぎ、やっと岸へ。水温が20℃くらいあったので、それほど寒くはない。初のリバーでのチンということで、興奮していたのかもしれない。。チョコレートを食べ、再出発。

途中、Mangapurua(マンガプルア)に上陸。Bridge to Nowhere(ブリッジ・トゥー・ノーウェアー)と呼ばれる橋への、片道35分のトレッキング。1936年に建設されるも、この地域での定住が難しく、結局この橋だけが取り残されてしまう。築80年とは思えない頑丈な鉄筋コンクリート造りの橋の上で、今日のランチをいただく。

さすがニュージーランド! 橋からの帰り道、後ろから6台のMTBが!なんと犬も一緒に走ってる。40kmを7時間かけて走ってきたらしい。1/3は激しい登り。ほとんどかついだとか。雨が降ったせいか、かなりSlippery&Muddyだったので、彼ら泥だらけでした。。このあたりには、40km以上のトラックがいくつかあり、トレッキング、MTBもかなり楽しめそう。

2日目のキャンプサイトのTieke Kaingaに近づくにつれ、景色が変わってくる。シダに覆われた山から、だんだんと牧草地へ。ついでに家畜のにおいもしてくる。途中、家畜の牛が7匹いる。カヌーで追いかけようと、岸にズンズン近づいていくと、逃げる、逃げる! 牛って足が速いのね。

3日目 Tieke Kainga~Pipiriki 21.5km / 曇りときどき小雨

6時30分起床。うどん&ベーコン、昨夜残ったご飯でにぎったおにぎりの朝食。8時45分、Tieke Kaingaを出発。最終目的地のPipirikiまでは、21.5km。距離は短いが、強いrapidがいくつかあるらしい。清流をゆったり漕ぐのも良いけれど、以前知床の激しい海を経験してしまった私は、スリリングなrapidが待ち遠しい!

Drop Scene、Puaroto Cavesを抜けると、今日のBig rapidが来た!左の岸壁にそっての流れ。右からrapidに近づいていき、カーブしながら大きい流れに乗る!1m超の波が次々とやってくる。1つ超えても、また1つ、カヌーが上下にバッシャンバッシャンとたたきつけられる。ド真ん中の流れに乗りきれず、カヌーが右に傾く。そこで私が一瞬ビビッってしまい、漕ぐ手をゆるめてしまう。体勢も腰が引けてしまい、その途端、2度目のチン!といっても、昨日学習済みなので、とりあえず体は投げ出されながらも、カヌーだけはひっくり返らないように、右手でおさえる。前方の岩場には同じくチンしたスイス人2人組。私たちも同じ岩場に流され、一旦上陸する。水抜きができるような場所ではないので、7割以上浸水したカヌーに乗り込み、船尾が沈みそうになりながらも、ソーッと漕ぎ、広い岸辺に上陸。

深い森を縫うように流れる 後に漕いだ丸田君とイワオの父は、上手にrapidをクリアし、私たちのヘルプにやってきた。力自慢の男ふたりでもカヌーをひっくり返して水抜きするのに苦戦するほど、浸水していた。先ほどのスイス人2人組も合流。一緒にコーヒーブレイク。彼らは、カメラが入ったレインウェアを流されてしまったとか。このカヌー旅のあとも、バックパックでニュージーランドのいろいろなトラックを歩くつもりの彼らにとっては、カメラよりもレインウェアが流されたことがショックな様子だった。

2度のチンにやられたまま、この旅を終わらすことはできない。最終地点Pipirikiの近くに、先ほどの同じレベルのrapid。今度はビビらないぞ!体を前のめりに、急流に負けないように倍のスピードと力で漕ぐ、漕ぐ、漕ぐ!イワオも必死で舵を取る。急流では、前の人がエンジンとなり、漕ぎきらないと、必ず流れに持っていかれる。長いrapidをド真ん中を攻め続け、アグレッシブに漕ぐ。リベンジ成功!

Rapidを抜けると、すぐにPipiriki。同じくワンガヌイ・ジャーニーを漕ぎきった仲間が待っている。カヤックでの旅でもそうだけれど、いくらヘトヘトに疲れていても、なんだか名残惜しくて、最終地に着いてもなかなか上陸したくない。漕ぐ手をゆるめて、後ろを振り返る。3日間、88kmの初めてのカナディアンカヌーの旅が終わった。
(2007年1月23日~1月25日 藤井優子)